背中に夕日がおちるとき
生きていますか。
私は今日も生きています。
シェアハウスに住んでいると、たくさんの輝いた人と出会います。
辛いことがない人なんていないんですよね。
みんな苦しい過去もあるんですよね。
でも自分の歩く方向を向いて、少しづつ進んでいる。
そんな彼らが眩しくて、私は目を閉じたくなります。
昔、どこにも行けなかった私。
リビングの窓にもたれて、夕日が落ちていく時をすごしていました。
何度も何度も。
背中に伝わるガラスの冷たさと、夕日のあたたかさ。
けして振り向くことはないんです。
外に出ることもない。
リビングがオレンジに染まって、やがて暗闇に包まれていく。
その刹那に輝くグラスのまぶしさが愛おしかった。
それは命みたいで。
私はそれを、ガラスを隔てた閉ざされた場所から、ただ感じていた。
今も変わらないのかもしれません。
私は私という閉ざされた箱から、ただ人の営みを見つめている。
命の揺らめきを愛しいと思うのです。
私はなぜ生きているのでしょうか。
理由がないことはわかっているけれど。心が乾くのです。
あの人を出し抜いてやろう、あの人より優れていたい、あの人を貶めてしまえ、あの人に勝ちたい。そんな気持ちは無くて。
自分のたかが数十年の命、どうすれば良いのか。何をして死ぬのか。
途方にくれているんです。
なぜ何かをしようと思うのでしょうか。
初夏の日差し、風の涼しさ、それだけではいけないのですか。