税込39円のうちわけ〜アダルトチルドレンの克服日記〜

20代のひとりっ子アダルトチルドレンが、過去を振り返ったり、今を綴ったりします。

奴隷船の乗り心地

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真綿が敷き詰められた奴隷船、あるいはサーカスの綱渡り。

 

奴隷船で死ぬことはないけれど、少しずつ足が腐ってゆく。

うっかりではない。

実のところ、強引に、かつ意図的に奴隷船から抜け出した。

 

はじめて地に足がついたようで、ざらざらとした感覚が気持ち悪い。

責任だとか、義務だとか、権利だとか、どーでもいい。

公共の福祉なんて知ったことじゃない。

初めての感覚なんだ。

まだよくわからないんだ。

ただ一つ確実に言える。もうあの船には乗らない。

 

足は腐ってないか?

頭はどうだ?

走るとはどんな感覚だろう。

 

物心ついた時から、蜘蛛の糸の上を綱渡りしているみたいだった。

いつぷつりと切れるのか。

落ちたらどうなるのか。

…どこまで落ちるのか。

全てが不安だった。

 

ここが落ちた底なら、なんだ、奴隷船よりマシじゃないか。

 

「奴隷船の乗り心地は酷いものだったよ」

そういってケロリと、笑える人になりたい。

毒になる親

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超有名なアダルトチルドレン御用達の本。

 

今まであえて読まないでいた本を読んだ。

正直、新鮮さはなかった。ほとんど「自覚」していることだったから。

 

経済的に親から離れた今なら、向き合って、変われるんじゃないかと思った。

でも、なにも変わらない。

仕事は理不尽で満ちていて、三年も続く気がしない。

三年後にどうなるアテもない。

 

色々と環境を変えて、変わろうとしているんだけど、難しい。

 

親と対決なんてできやしない。

最近、知り合いばかりが「かさんで」いる気がする。

親しい人なんてそうそうできない。

 

集団の中の私は、一人一人にとっては単なる背景でしかない。

居なくなってもいいなって思う。

居ない方が良いのかなとも思う。和を乱してしまうから。

そう思うと、どんどん居場所がなくなっていく。

 

自分が存在する根拠を、他人に求めようとするから。

いつも苦しくなる。

 

無能な狂人に価値はない。

狂人は治りそうにないから、なにか一芸でも身につけなきゃ生きていけそうにない。

しかし一芸を身につけられる自信もない。

 

だれか、無条件に私を愛してくれないかな。

他人から愛されることで、存在することを許されようとする。

結局私は、一ミリも前に進めていない。

 

やりきれない。

可愛いふりしてあの子

まあ、かわいくもないんですけど!

 

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当たり障りのない関係のあの人が、突然

「あなた、見かけに反してけっこうエグいもの抱えているのね」

なんて言うから。ドキドキして一日中落ち着かなかった。

 

何がバレたんだろう?

何も言っていないはずだけど。どこまで知っている?

 

いっそ全部暴いて欲しい。

狂気や殺意の底の底まで見えたなら、なんて言うかな。

 

「なんだ、たいしたことないじゃない」

なんて言うのかな。

 

知られることは怖くない。

逃げ出されたら嫌だけど。

 

ね、どこまで知りたいのかな。

黒鴉の墓守ラウラ

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“白の墓廟には黒い悪魔が棲み着いている”

 

かつて、栄華を極めた「白鴉の帝国」。

いまや国は滅び、帝国の威厳は地に落ちた。

されど私があの人との約束を忘れた日はない。

 

あの日承けた使命。

復活の時まで、あと281年と9ヶ月。

ペンタブレット

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昔、高校に上がりたての頃の話。

 

ペンタブレット」というものに、私は昔から憧れがあった。

機械好きということもあり、昔お絵描きが好きだったということもある。

 

ともかく貯めたお小遣いでペンタブレットを買おうとした。

 

私の家では、お小遣いの使い道は親に許可を頂かなければならなかった。

「すみません、ペンタブレットというものを買いたいのですが、買わせていただいてもよろしいでしょうか?」

タイミングを見計らって恐る恐る父にお願いし、なんとか電気屋でタブレットを選ぶことになった。

電気屋にいくと、いくつかのタブレットが並んでいた。どうやら同包されているソフトがモノによって違うらしい。

フォトショエレメンツが付いてくるやつと、コミスタ(だったきがする)が付いてくるやつがあった。

私はコミスタの付いた箱に手を伸ばした。

アートよりもアニメっぽいものの方が好きだったからだ。

 

後ろで父が、ため息を付いた。

「お前が描きたいのって、そんな(くだらない)モンなんだ?」

ため息をつきながら、嫌悪感を浮かべた顔で父は言った。

 

ステラレタクナイ

 

「…ごめんなさい間違えました」

血の気が引いた。

サッと箱を戻し、フォトショのついたアーティスティックな箱をとった。

 

「ふうん」

「すみませんでした」

 

私はアニメも漫画もこわくなった。描くことはもっと怖くなった。

 

物心ついた時、私と目を合わさない父を見て、この人に捨てられたら生きていけないんだなと思った。

この人に嫌われたら、殺されるんだなと思った。

小さい時から、父にとっての「いい子」であることが、生きていくための条件だと思っていた。

父の機嫌を損ねてしまった日は、今日眠ったら、寝ているうちに刺されるかもなと怯えていた。

寝ている父を見て、なんなら殺される前に殺してしまおうかとさえ思った。

 

私の基準は、親にとって良い子であるかどうか、だったと思う。

捨てられたら、

今日親が帰ってこなかったら、

寝ている間に首を絞められたら?

 

きっといつも、怖かったんだと思う

 

データ引き継ぎ

今の私のスペックをすべて引き継いで、ここから人生を始めたい人はいるのかな。

 

今までの記憶、繋がり、容姿、年齢、性別、病気。

 

いるんだろうな。

気の持ちようだとか、恵まれているとか言うんだろう。

 

世界のどこかじゃ化学兵器がばらまかれて、バタバタ人が死んでるらしい。

私と画面越しの彼ら、何が違うんだろう。

どっちが生きているべきだった?

私が生きる方が、人類の未来にとって有益?

そんなこともないよね。

 

単なる偶然で割り切れないけど、

死んだ人の未来なんて背負えないよ。

自分ひとりの未来も背負えないのにさ。

 

 

xx

私は負け犬。

 

もうわかっているんだ。

特別な人間でもなければ、必要な人間でもないって。

誰も気にも留めていないし、誰からも期待されていない。

生きていても、今すぐ消えたって、どうでもいいんだよ。

価値なんかない。

 

いつから負け始めたとか、もうよくわからない。

何に負けたのかもわからない。

 

何が好きだったのかも忘れて、好きだったものは見なくなった。

悔しさとか、劣等感とか、虚しさとか、そんなものばかり積もっていく。

 

結局は環境次第だとか、個人の努力が足りないとか、そんなのもうどうでもいい。

虚しいんだ。

なら一生懸命になれって言われたって、何に対しても興味なんて、たいしてない。

 

そんなことを言っていられるのは、恵まれている奴だけだっていうけどさ。

死ぬほど苦しい思いをしてまで、生きようとは思わないよ。

平等なんてないんだからさ。

どうにもならないなら、サクッと死んじゃえばいいじゃん。

出口はいくらでも転がってるでしょ。

今手元にある電気コードでも、死ぬくらいならできる。

 

なぜ生きるの?

なぜ働くの?

なぜ人と人は協力し合わなければならないの?

なぜ社会という枠組みに属しているの?

 

私にはわからない。

ただ、太陽の光を浴びれば幸せだ。

美しい空を見られれば幸せだ。

行きたい場所に行って、この星の美しさを見られるのなら、それだけでいい。

 

負け犬の矛盾だね。わかっているよ。

ここまで見ているあなたも、どっか壊れているのかも。

 

社会というのは、互いに価値を生産しあうことで成り立つらしい。

価値のない人間は、存在することも許されないのかな。

 

価値を決めるのは、他人なんだけどね。

 

社会には、約束事がいっぱいある。

その約束事が「みんな」の命を守るけど、「その他」を殺すこともある。

「その他」を殺すことは正義でしょ?

 

私はいずれ、社会に殺される。

体に渦巻く狂気が、すぐに私を超えるから。

自分を破壊することは、快楽なんだよ。

皮を剥げば肉が見える。血が滴る。

心は砂の味がする。