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私は負け犬。
もうわかっているんだ。
特別な人間でもなければ、必要な人間でもないって。
誰も気にも留めていないし、誰からも期待されていない。
生きていても、今すぐ消えたって、どうでもいいんだよ。
価値なんかない。
いつから負け始めたとか、もうよくわからない。
何に負けたのかもわからない。
何が好きだったのかも忘れて、好きだったものは見なくなった。
悔しさとか、劣等感とか、虚しさとか、そんなものばかり積もっていく。
結局は環境次第だとか、個人の努力が足りないとか、そんなのもうどうでもいい。
虚しいんだ。
なら一生懸命になれって言われたって、何に対しても興味なんて、たいしてない。
そんなことを言っていられるのは、恵まれている奴だけだっていうけどさ。
死ぬほど苦しい思いをしてまで、生きようとは思わないよ。
平等なんてないんだからさ。
どうにもならないなら、サクッと死んじゃえばいいじゃん。
出口はいくらでも転がってるでしょ。
今手元にある電気コードでも、死ぬくらいならできる。
なぜ生きるの?
なぜ働くの?
なぜ人と人は協力し合わなければならないの?
なぜ社会という枠組みに属しているの?
私にはわからない。
ただ、太陽の光を浴びれば幸せだ。
美しい空を見られれば幸せだ。
行きたい場所に行って、この星の美しさを見られるのなら、それだけでいい。
負け犬の矛盾だね。わかっているよ。
ここまで見ているあなたも、どっか壊れているのかも。
社会というのは、互いに価値を生産しあうことで成り立つらしい。
価値のない人間は、存在することも許されないのかな。
価値を決めるのは、他人なんだけどね。
社会には、約束事がいっぱいある。
その約束事が「みんな」の命を守るけど、「その他」を殺すこともある。
「その他」を殺すことは正義でしょ?
私はいずれ、社会に殺される。
体に渦巻く狂気が、すぐに私を超えるから。
自分を破壊することは、快楽なんだよ。
皮を剥げば肉が見える。血が滴る。
心は砂の味がする。