らしくない
ぜんぶ夏のせいか。
今日もどうやら生きています。税込です。
1週間ばかりのお盆、真っ最中です。
実家に帰ってこいと命令され、生きた心地がしません。
はやく自分の家に戻りたいな。
柄でもない、お恥ずかしい話を一つ。
昨日、彼氏と飲んでいたんです。
くせが強く、脆いようで強い、不思議なひと。
そして知りたがりな人です。
きみの本音が聞きたいって、ならなんでも話しましょうかって。
浴びるようにお酒を飲みながら色々話してたんです。
日本酒を何本も空けて。
正直、酒の強さには自信があったんですね。
今まで酔いつぶれた人の介抱をすることは何度もありましたが、自分自身がひどく酔ったことはなかった。相手より先に潰れることがなかったんです。
でも、昨日はそうはいかず。
店を出て電車に乗り、暫くしたら眠くなって。
動けなくなってしまったんですね。
完全に飲みすぎです。
途中下車して...そこから記憶がありません。
何やらおんぶされていたような、タクシーに乗っていたような...。
そして目が覚めたら、ホテルで彼氏と寝てました。
いやあ恥ずかしい。
人から聞けば笑い話ですが、自分がやらかす日が来るとは。
反省しかないです。2度としないようにしたい。
目を開けるとすぐ側にその人がいて、頭を撫でながらこっちを見ていた。
ほら、水飲みななんて、ペットボトルを渡されて。
別に昨日は何もしてないから、なんてにやりと笑う。
むかし、親友に「誰を信じていいのか分からない」と言う度、だからこそお前は愛を知れと言われたっけ。当時は信じることができない者が、人を愛せるはずがないと思った。
でも、今になって、信じてみたい気もする。
なぜこの人は、こんな事を私にしてくれるのか。なぜこんなにやさしいんだろう。いつかは捨てられるのかな。なにか裏があるのかな。きれいな上部の底を、見極めようとする自分がいる。
かつて親友から、人を信じることを教わった。
多分、愛は知っているけど、恋は知らない。
浮き藻のように社会という大海を漂いながら、いつも普遍の場所を求めている。
変わらないものは無い。終わらないものもない。そんなことはわかっているけれど。私が生きるたかが数十年のあいだ、変わらずに信じられる場所が欲しかった。
家族という枠組みは、脆く、霧散してしまったから。
帰る場所がないのなら、心の休まる場所がどこにもないのなら、心と心の重なる場所につくればいい。人を愛してみろ。きっと私より辛い思いをしてきた何人かの大切な人たちが、私にそう言った。
何かが融けて、変質しはじめているのかもしれません。