旅に出ます
旅に出る前は、いつもに増して「 死」を意識します。
いつも死は側にある。そんなこと分かってはいるけれど、旅は「ここで死んでも後悔はないか?」なんて考えるキッカケになります。
人は生まれる時代も世界も選ぶ事は出来ない。
しかし、どう生きるかを決める事は出来る。
私が大好きなゲーム、ff零式の言葉です。でも、この言葉にはちょっと異議があって、人は、自分の人生のすべてに対して、どう生きるかを決めることはできないと思います。
幼い子供達が自分の人生を、自分の意思で、選択して生きることは本当に出来るのでしょうか。稼ぐ手段も権利もない非力な人間が選べる選択肢は、「今すぐ死ぬこと」と「支配された環境に従って生きながらえること」の二択しかないかもしれません。
以前私の尊敬する人が言っていました。
「人生の三分の一は生まれた環境で決まる。
残りの三分の二は本人の意思で変えられる」
この意見に私も同意します。しかもこれは「人生全体で考えた時の割合」であって、生まれた時は9割が生まれた環境で決まると思います。時間の経過とともに「生まれた環境」で決まる部分は減少してゆき、最終的には全体の三分の一に収まる。
いままで随分と「生まれた環境」に支配された人生を送ってきました。私は、どう生きるかを自分で決めて生きてきたのではありません。ただ目の前の痛みに耐え続け、生きながらえてきただけです。私が選択したことはただ一つ、「死を選ばない」ということだけ。
これから、自分の意思で旅に出ます。
私が決めたんです。私が望んだ。そしてこの旅は、友との旅でもあります。自分で人生を選びとって、その先に人と共に生きられる未来を見つけられたのなら、これほど嬉しいことはありません。