税込39円のうちわけ〜アダルトチルドレンの克服日記〜

20代のひとりっ子アダルトチルドレンが、過去を振り返ったり、今を綴ったりします。

可愛いふりしてあの子

まあ、かわいくもないんですけど!

 

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当たり障りのない関係のあの人が、突然

「あなた、見かけに反してけっこうエグいもの抱えているのね」

なんて言うから。ドキドキして一日中落ち着かなかった。

 

何がバレたんだろう?

何も言っていないはずだけど。どこまで知っている?

 

いっそ全部暴いて欲しい。

狂気や殺意の底の底まで見えたなら、なんて言うかな。

 

「なんだ、たいしたことないじゃない」

なんて言うのかな。

 

知られることは怖くない。

逃げ出されたら嫌だけど。

 

ね、どこまで知りたいのかな。

ペンタブレット

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昔、高校に上がりたての頃の話。

 

ペンタブレット」というものに、私は昔から憧れがあった。

機械好きということもあり、昔お絵描きが好きだったということもある。

 

ともかく貯めたお小遣いでペンタブレットを買おうとした。

 

私の家では、お小遣いの使い道は親に許可を頂かなければならなかった。

「すみません、ペンタブレットというものを買いたいのですが、買わせていただいてもよろしいでしょうか?」

タイミングを見計らって恐る恐る父にお願いし、なんとか電気屋でタブレットを選ぶことになった。

電気屋にいくと、いくつかのタブレットが並んでいた。どうやら同包されているソフトがモノによって違うらしい。

フォトショエレメンツが付いてくるやつと、コミスタ(だったきがする)が付いてくるやつがあった。

私はコミスタの付いた箱に手を伸ばした。

アートよりもアニメっぽいものの方が好きだったからだ。

 

後ろで父が、ため息を付いた。

「お前が描きたいのって、そんな(くだらない)モンなんだ?」

ため息をつきながら、嫌悪感を浮かべた顔で父は言った。

 

ステラレタクナイ

 

「…ごめんなさい間違えました」

血の気が引いた。

サッと箱を戻し、フォトショのついたアーティスティックな箱をとった。

 

「ふうん」

「すみませんでした」

 

私はアニメも漫画もこわくなった。描くことはもっと怖くなった。

 

物心ついた時、私と目を合わさない父を見て、この人に捨てられたら生きていけないんだなと思った。

この人に嫌われたら、殺されるんだなと思った。

小さい時から、父にとっての「いい子」であることが、生きていくための条件だと思っていた。

父の機嫌を損ねてしまった日は、今日眠ったら、寝ているうちに刺されるかもなと怯えていた。

寝ている父を見て、なんなら殺される前に殺してしまおうかとさえ思った。

 

私の基準は、親にとって良い子であるかどうか、だったと思う。

捨てられたら、

今日親が帰ってこなかったら、

寝ている間に首を絞められたら?

 

きっといつも、怖かったんだと思う

 

データ引き継ぎ

今の私のスペックをすべて引き継いで、ここから人生を始めたい人はいるのかな。

 

今までの記憶、繋がり、容姿、年齢、性別、病気。

 

いるんだろうな。

気の持ちようだとか、恵まれているとか言うんだろう。

 

世界のどこかじゃ化学兵器がばらまかれて、バタバタ人が死んでるらしい。

私と画面越しの彼ら、何が違うんだろう。

どっちが生きているべきだった?

私が生きる方が、人類の未来にとって有益?

そんなこともないよね。

 

単なる偶然で割り切れないけど、

死んだ人の未来なんて背負えないよ。

自分ひとりの未来も背負えないのにさ。

 

 

xx

私は負け犬。

 

もうわかっているんだ。

特別な人間でもなければ、必要な人間でもないって。

誰も気にも留めていないし、誰からも期待されていない。

生きていても、今すぐ消えたって、どうでもいいんだよ。

価値なんかない。

 

いつから負け始めたとか、もうよくわからない。

何に負けたのかもわからない。

 

何が好きだったのかも忘れて、好きだったものは見なくなった。

悔しさとか、劣等感とか、虚しさとか、そんなものばかり積もっていく。

 

結局は環境次第だとか、個人の努力が足りないとか、そんなのもうどうでもいい。

虚しいんだ。

なら一生懸命になれって言われたって、何に対しても興味なんて、たいしてない。

 

そんなことを言っていられるのは、恵まれている奴だけだっていうけどさ。

死ぬほど苦しい思いをしてまで、生きようとは思わないよ。

平等なんてないんだからさ。

どうにもならないなら、サクッと死んじゃえばいいじゃん。

出口はいくらでも転がってるでしょ。

今手元にある電気コードでも、死ぬくらいならできる。

 

なぜ生きるの?

なぜ働くの?

なぜ人と人は協力し合わなければならないの?

なぜ社会という枠組みに属しているの?

 

私にはわからない。

ただ、太陽の光を浴びれば幸せだ。

美しい空を見られれば幸せだ。

行きたい場所に行って、この星の美しさを見られるのなら、それだけでいい。

 

負け犬の矛盾だね。わかっているよ。

ここまで見ているあなたも、どっか壊れているのかも。

 

社会というのは、互いに価値を生産しあうことで成り立つらしい。

価値のない人間は、存在することも許されないのかな。

 

価値を決めるのは、他人なんだけどね。

 

社会には、約束事がいっぱいある。

その約束事が「みんな」の命を守るけど、「その他」を殺すこともある。

「その他」を殺すことは正義でしょ?

 

私はいずれ、社会に殺される。

体に渦巻く狂気が、すぐに私を超えるから。

自分を破壊することは、快楽なんだよ。

皮を剥げば肉が見える。血が滴る。

心は砂の味がする。

たった数行で

長野のおばあちゃんが〇〇(私の本名)の就職のことを気にしてる。

報告がてら電話をしてあげて。

頼む

 

こんなメールで苦しむなんて。

たったこれだけのメールが、私の心を抉る。

父からのメールはいつも一方的だ。

ある時は半年に一度あるかないか。今回は一ヶ月ぶりだ。

 

軽い吐き気と、めまいがする。

 

仕事を捨て、母を捨て、自由になりたいと言うのなら。

全てを捨てて自分のために生きたいと言うのなら。

もう、放っておいてくれないか。

 

愛されたかったとか、親としてどうだとか、過ぎたことはもういい。

あなたの生き方も、どうでもいい。

これ以上苦しめないでほしい。

 

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先生の家にお邪魔した話

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先日卒業式に参加しました。

正確には会場で映画を観ていたので話は一切聞いていませんが。

その後卒業証書を受け取り、最速タイムで帰宅しました。

(あ、大学に友達はいません^^)

大学の四年間で唯一友達になった奴は去年留年したので、卒業式は完全に一人でした。

そんなこんなで、謝恩会には参加しませんでした。

 

たいした恩も感じていなかったのでその時はなんとも思っていなかったのですが、

後からさすがに担当教授にはお礼の一言くらい言った方が良かったのではないかと

ありもしない良心が咎めはじめ、どこかにひっかかっていました。

 

そんな時にゼミの打ち上げがあるから参加したい奴は言えとの連絡が来ました。

 

いつもなら迷わずスルーするのですが、これが教授と会うのは最後かもしれないので行くことに。

で、飲み屋に集合のはずが人数が少ないから教授の家にお招きされてしまうことになりました。

 

一見何の変哲もない、新宿からほど近いマンション。

あれ?教授の家ってこんなもんなの?

そう思ったのもつかの間。

扉の先には、コンクリートむき出しの異質な空間が広がっていました。

 

私は怠惰で不勉強な人間なので、アルベルト・ジャコメッティ草間彌生は知っていても、中川幸夫はよく知りません。

そんな私でもわかることは、ここが日本現代美術の粋を集めた空間であるということ。

そしてここで生活することは、私にとっては不幸なことであるということくらいでした。

 

身の丈に合わない場所に行くと、「幸せの基準」なんかをぼんやり考えます。

 

ボレロを聴きながら日本で一番高価な米を食べること。

月光を聴きながらブランデーを嗜むこと。

そういったことに私はあまり、喜びを感じません。

 

お金を稼いだだけ幸せになれる。そういった価値観が崩れて久しいです。

「幸せ」の基準は多様化しています。

学歴もあって、社会的地位も確立した博識な教授にとって、幸せって何なんでしょう。

たくさんのお金を持つことではなさそうです。

自己実現はもうしているでしょう。

もしかしたら、幸せの対象は、「自分」ではないのかもしれません。

人に教え、与えることでしょうか。

私には想像もつかない、見えないような「幸せ」を求めているのかもしれません。

 

今日で世界が終わるなら、いつものラーメン屋でうまいサンラータンメンを食べて、友達と馬鹿笑いして死にたい。

きっとその間も先生は、100年後の子どもたちを想い、未来を紡ぐのでしょう。